収益物件とは?種類やメリット・デメリットを紹介
不動産投資について調べると出てくる用語のひとつが、「収益物件」という用語です。特にはじめて不動産投資を行う人にとってわかりにくい「収益物件」について、その物件の種類について、およびメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。
不動産投資について情報を集めると、「収益物件」という言葉がよく出てきます。
収益物件には選ぶポイントがあります。それらのポイントを無視すると、たいていは失敗してしまいます。
そこで、この記事では収益物件について知っておいていただきたい点について詳しく説明していきます。
収益物件とは?
収益物件とは、第三者に賃貸することで定期的に家賃収入からの収益(運用益)を得る目的で購入した不動産のことです。
自身が居住もしくはオフィス・店舗などにする予定で購入する不動産、価格上昇後に売却することで売却益を得る目的で所有する不動産とは異なります。
収益物件3種類とその利回り
まずは、収益物件の種類と平均利回りについて見ていきます。
①住居系
住居系収益物件とは、居住を目的としている物件のことです。
収益物件の中ではもっとも多く出回っており、初めて購入する人に手が届きやすい価格帯の物件も多いので、初心者からベテランまで多くの人が住居系物件を選んでいます。
アパート・マンション・戸建住宅・シェアハウスなどが代表的です。
家賃収入・収益性ともに低いものの、立地の良い物件は人気も高く満室になりやすい傾向にあります。
政令指定都市における住居系収益物件利回りの平均は、それぞれ下記のとおりです。
- 区分マンション:6~16%
- 一棟アパート:7~14%
- 一棟マンション:6~10%
また、下記は浜松市の住居系収益物件利回りの平均となっています。
- 区分マンション:15.37%
- 一棟アパート:10.73%
- 一棟マンション:9.20%
②オフィス系
オフィス系収益物件とは、企業が事務所として借りるための物件です。
ある程度の広さ・アクセスの良さなどが求められるため、賃料も高くなりやすく、なかなか入居者が決まりにくい傾向にあります。その代わり、一度決まると、長期にわたって契約してもらいやすい点はメリットです。
しかし、近年ではコロナの流行でリモートワークの導入が増え、縮小傾向にあります。こういった点から考えると、景気やコロナ禍のような非常事態の影響を受けやすいともいえます。
オフィス系物件の平均利回りは、政令指定都市で3.4~6.5%前後。
浜松市中区の平均は、7~8%前後です。
③テナント系
テナント系の収益物件とは、書店、コンビニエンスストアなど小売業の店舗・倉庫、駐車など商業施設で利用される不動産のことをいいます。
経営する店舗などによって求められる立地や構造なども異なるため、なかなか入居者が決まりにくいですが、一度入居者が決まると長期契約になりやすいので、長期的に安定した収益が期待できるでしょう。
ただし、運営企業などの経営状態やコロナ禍などの非常事態に左右されやすいので、早期撤退のリスクにも気をつけなければなりません。
テナント系収益物件の平均利回りは、政令指定都市で3~6%台です。
浜松市中区平均では7~8%となります。
収益物件を選ぶ4項目
借りてくれる人・会社・店舗がなければ、家賃収入もそこから得られる収益も発生しません。そのため、物件を選ぶ際は、「借り手がいるのか」を考えることが必要です。
ここでは、収益物件を選ぶために大切な4項目について説明していきます。
①立地
最初の確認項目は、立地です。
たとえば、下記のような物件は購入価格も高くなりやすい傾向にあります。
- 最寄り駅
- 近隣に大型スーパーがある
立地の良さは大きな価値になりやすいので、妥協しないようにしてください。
気になる物件があれば、実際に見てみることが大切です。
②築年数
次に、築年数です。
収益物件では、下記などの理由から新築かどうかは重要視されない傾向にあります。
- 広告宣伝費などがかかり、割高になりやすい
- 中古物件と比べると、価値も大きく下がりやすい
一方、築年数が古すぎる不動産も大きな地震が発生したら倒壊のリスクがあるので、避けられる傾向があります。
実際、新耐震基準(昭和56年施行)以前の建物が、割安で出ているケースもあります。築年数でいえば、41年以上がこれに該当します。
収益物件の寿命等を考慮し、ある程度価格が下がった状態かつこれから10年程は安心して運用できるような、築10~20年前後の物件が基準となるでしょう。
③地域の将来性
3つ目は、地域の将来性です。
将来性として確認すべきポイントは主に3つあります。
- 将来的に近隣の治安が悪くなる要素がないか
- 建物の耐震性がしっかりしているか
- その地域が地震に強いか
特に、治安はその地域全体にとってマイナス評価になりやすいので、しっかりと調べておきましょう。
④収益性
最後に収益性について見ていきましょう。
持続して収益を出すためには、資産価値の減少(目減り)を避けられるかどうかが鍵を握ります。
それを判断する基準は、4つあります。
- 近くに駅の建築・商業施設などの出店予定があるか
- 大型マンションの建築予定があるか
- 管理体制はどうか(設備・配管などの管理)
- その他、周辺の開発予定
上記で見ると、駅の建築や商業施設・スーパーの出店予定はプラス要素ですが、大型マンションの建築予定はマイナス要素になりえます。その他、管理体制の良し悪しも将来的な資産価値を図る基準となるでしょう。
収益物件を購入するメリット4つ
ここでは、収益物件を購入するメリットについて考えてみましょう。
①レバレッジが効く
レバレッジとは「テコの原理」を指し、小さな力で重いものを動かすことをいいます。
収益物件などの不動産取引では、ローンを組むことで自己資金以上の物件を購入して、多額の利益を得られます。
特に不動産の収益物件では、このレバレッジが大きなカギを握ります。
②買い増しにより物件を増やせる
「収益物件は1件しか所有できない」というルールはありません。
はじめて収益物件を持つ人が複数件購入するのは、よほどの資産家でないと難しいです。しかし、ある程度の収益を確保していれば、他の物件の買い増しもできます。
③安定した収入が得られる
収益物件は、入居者が途絶えない限り毎月一定の家賃収入が入ります。
家賃相場は、株式などと違って相場に上下幅の少ない点が特徴なので、安定的かつ継続的な収入を得られることは大きなメリットになるでしょう。
④節税対策になる
節税対策で特に大きいのが、相続税対策です。
現金の場合は、その金額に対して課税されます。それに対して、所有している土地に収益物件を建てるもしくは収益物件を購入した場合は、評価額によって税額も決まるため、大きな節税効果も見込めるでしょう。
収益物件を購入するデメリット3つ
収益物件には投資するだけのメリットがある一方、デメリットもあります。ここでは、購入に関するデメリットを見ていきましょう。
①換金性が低い
思った時期に売れるとは限らない、家賃収入を期待して購入しても、すぐに入居者が決まるとは限らないなどといった換金性の低さが、収益物件における最大のデメリットです。
特にローンで購入した場合は、月々の支払いで生活が圧迫されるリスクが出てくる点には留意しておきましょう。
②売却したい時にすぐに売れない
「換金性の低さ」にも関連しますが、売却しようと思っても簡単には売れません。
売却するにも、売値を決めて購入希望者が現れれば交渉する必要も生じます。場合によっては値下げに応じる必要もあるなど、時間もかかりやすい上、必ずしも希望価格で売れるとは限りません。
最悪の場合、長期にわたり買い手が見つからないリスクがあるので注意してください。
③不動産価格が下落する可能性がある
収益物件では、不動産価格の下落リスクが2つあります。
- 経年劣化による資産価値の目減り
- 地価の下落
価格変動をなるべく抑えたい場合は、人気エリアなどのように価格下落リスクを回避できる確率の高い地域を選ぶことも大切です。
収益物件選びはリスクも考えて慎重に
いかがでしたでしょうか。
この記事では、収益物件の種類とメリット・デメリットについて解説しました。
収益物件は、使用目的など種類によってまったく異なります。また、初心者にとって収益物件への投資は難しいので、住居系からスタートするのが無難とされています。
収益物件にはメリット・デメリットがあるので、自分で情報を集めて慎重に選びましょう。
土地や物件に関することでお悩みの方はぜひご相談ください。